食 | 2025.09.24

ホテルニューオータニが創り出す「一生涯の価値」とは?新プレミアムカードが誘う、特別なホテル体験
「食のホテル」として、そして日本を代表する迎賓館として、長きにわたり特別な存在であり続けているホテルニューオータニ。

その伝統と革新が融合した新たな経営・事業戦略「Refine Otani」が発表されました。
この言葉には、「建て替えではなく、磨き上げ、進化し続ける」という深い意味が込められています。

日本の都市開発が新しい建物を次々と生み出す中、ホテルニューオータニはあえて、創業者の想いが詰まった歴史ある建物を次世代へ継承するという道を選びました。
その哲学は、単なるハード(建物)だけでなく、ソフト(サービス)やヒューマンウェア(人)も一体的に進化させるプロジェクトとして進行しています。今回の発表は、ただの事業方針に留まらず、私たちのライフスタイルを豊かにする「究極のおもてなし」を具現化するものでした。

その象徴とも言えるのが、2026年5月から発行される『ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカード』です。
これは、日本のホテル業界初の会員組織として1964年に発足した「ニューオータニクラブ」が、提携30年を迎えるダイナースクラブと共同で発行する上位カード。単なる決済手段ではなく、ラグジュアリーなホテルステイと、ハイクラスカードのパイオニアであるダイナースクラブの上質なサービスが融合し、特別な体験を創り出すことを目的としています。
ホテル業界とクレジットカード業界、2つの激動期に生まれた「唯一無二の体験」とは
日本のラグジュアリー市場が大きな転換期を迎える中、ハイクラスカードのパイオニアとして知られるダイナースクラブが、老舗ホテル、ホテルニューオータニとの提携30周年を機に、新たな挑戦を発表した。単なる決済手段を超え、「本物の体験」を求める現代の富裕層に響く新プレミアムカードの登場は、業界に新たな風を吹き込むものとなるだろう。
背景にある2つの業界の「競争激化」
新垣社長が語ったのは、ホテル業界とクレジットカード業界、双方の激しい競争環境だ。

ホテル業界では、外資系ラグジュアリーホテルの進出が相次ぎ、富裕層の選択肢が多様化している。彼らは単に泊まるだけでなく、より快適で上質な「体験」を求めている。一方、クレジットカード業界もまた、各社が「プラチナカード」「プレミアムカード」といった上位カードの開発に力を注ぎ、年会費を払ってでも特別なサービスを享受したいというニーズが増加している。
この2つの市場のニーズが合致したのが、今回の共同プロジェクトの背景にある。新垣社長は、「唯一、無二かつ本物の体験を提供するために」新商品の開発に至ったと語る。

ダイナースが持つ強みと、ニューオータニとの歴史
ダイナースクラブが他社と一線を画すのは、その「信用力」と、長年にわたり築いてきたパートナーシップだ。1970年からホテルニューオータニのハウスカードの精算代行を担い、1995年からは提携カードを発行してきた。実に50年以上にわたる深い信頼関係こそが、今回の新プレミアムカード誕生の基盤となっている。
新カード『ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカード』は、ダイナースクラブが誇る24時間年中無休のコンシェルジュサービスや、銀座・大阪の直営プレミアムラウンジ、さらには名門ゴルフ場の予約代行といった、既存のプレミアムカード会員向けサービスを網羅する。加えて、ホテルニューオータニ独自のサービスが融合することで、唯一無二の価値を提供する。
カードがもたらす「人生を豊かにする」価値
特に注目すべきは、特典として用意された、フォーブス・トラベルガイドで6年連続5つ星を獲得したホテルニューオータニ(東京)内の『エグゼクティブハウス 禅』のフリーステイだ。これは、単なる宿泊優待ではない。ダイナースクラブが掲げる「メンバーの人生を豊かにするカード」という哲学が、ホテルニューオータニの「一見客から一生客へ」という理念と見事に共鳴し、具現化されたものと言える。
今回の新カードは、単なる機能の拡充ではなく、競争が激化する現代において、ホテルとクレジットカード会社が互いの強みを掛け合わせ、顧客に「本物の価値」を提供しようとする先進的な試みだ。2026年5月の発行開始を、両業界の未来を占う試金石として、注目していきたい。

1. 6年連続5つ星「エグゼクティブハウス 禅」への招待
このカードの最大の魅力は、なんと言ってもホテルニューオータニ(東京)が誇る、わずか84室のホテル・イン・ホテル『エグゼクティブハウス 禅』のフリーステイ(1泊分/年)特典です。

世界的な格付け機関「フォーブス・トラベルガイド」で6年連続の最高評価を獲得したこの空間は、まさに特別なゲストのための隠れ家です。

まるで旅館のような心尽くしのパーソナルサービスに加え、宿泊者専用ラウンジでは、ホテル最高峰の料理が1日6回も提供される「フードプレゼンテーション」を堪能することができるのも魅力的!
この特典は、ホテルニューオータニの真髄である「食」と「おもてなし」を一度に体験できる、まさに至高の体験と言えるでしょう。
2. 「食のホテル」を支える飽くなき挑戦

ホテルニューオータニが「食のホテル」と称される所以は、開業以来、食文化の最先端を走り続けてきたことにあります。
今回の発表会では、料理長たちが日本各地を巡り、最高の食材を探求する「ローカル創生」の取り組みや、新たな食の挑戦が披露されました。

例えば、「なぜうどんを?」という問いに対し、料理長は「お米の価格高騰などで、お客様の食の選択肢が多様化している」という背景を語り、福岡県北九州発祥の「豊前裏打会」のうどんをホテルで提供するという驚きの試みが披露されました。

この流派は、麺の製法を日々進化させ、透明感と喉ごしの良さを両立した新感覚のうどんを追求しています。
修行を重ねた料理人たちが、丹念に練り込んだ生地を二日間かけて熟成させ、喉ごしとキレのある細麺に仕上げました。さらに、このうどんに合わせる出汁には、モーツァルトの音楽を聴かせて発酵させたという特別な鰹節が使われるなど、随所にこだわりが光ります。

また、「いわて短角牛フェア」では、赤身肉の旨みが際立つ「いわて山形村短角牛」を、和・洋・中、全14種類ものメニューで提供。

さらにクリスマスシーズンには、いちごとメロンという2つの最高級フルーツを共存させた『エクストラスーパーダブルショートケーキ』が誕生します。

これらは単なる料理ではなく、作り手の情熱とホテルニューオータニの哲学が詰まった「作品」です。

3. 「一見客から一生客へ」という理念
今回の新カード発行は、ホテルニューオータニが創業以来掲げてきた「一見客から一生客へ」という理念を、新たな形で実現するものです。

単なる「モノ消費」ではなく、「信頼」や「体験」に価値を見出す現代の富裕層のニーズに応えるべく、一人ひとりの人生に寄り添う「一生涯にわたるおもてなし」を形にしようという同ホテルの強い意志を感じます。
『ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカード』は、特別な人々に、特別な時間と空間を提供する「鍵」となるでしょう。
単なる支払手段ではなく、ホテルニューオータニが、お客様の人生という物語に寄り添い、特別な瞬間を共に創り出すという約束の証です。
創業者の想いを継承しながら、絶えず進化を続けるホテルニューオータニの哲学。その最新の結晶であるこのプレミアムカードは、あなたの人生に新たな価値と感動をもたらす「パスポート」となるでしょう。
未来のあなたが、このカードを手に、至高の時間を体験する日を楽しみにしてください。
ホテルニューオータニ『ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカード』
住所 | 東京都千代田区紀尾井町 4番1号 |
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Writer
佐藤ひと美このライターの記事をもっと読む
スイーツライター/ジャーナリスト(日本スイーツ協会 スイーツコンシェルジュ認定資格者)として、《美味しい食べ物は人を幸せにする》をコンセプトに雑誌・メディア・webサイトにてショコラトリー&パティスリー、デセールの情報発信をシェフの想いや、お菓子の由来や歴史を執筆中。
Instagram: @himmi27